人気ブログランキング | 話題のタグを見る

このサイトは東北芸術工科大学が運営している「山形エコハウス」に関する情報を発信するブログです。
by yamagata-ecohouse
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31
設備について

2009/8/27

■雨水利用について
設備について_a0158602_435184.jpg

製品未定  参考:MPドラム缶

屋根に降った雨水を集合し再利用する設備で、水資源の有効活用になる。
雨水を取水し、ろ過滅菌処理してトイレ用水、冷却水、樹木の散水、洗車用水として使用する。ドーム型建造物、体育館、大型建築物などで雨水再利用システムが稼動している。雨水利用は新しい建築技術でありながら、まだ発展途上の技術であり、最低限の仕様ができたばかり。
基本的に、雨水利用システムはどんな建築物にも導入することが可能。

山形エコハウスでは‥ 
雨水の有効利用を図る計画として屋根降雨を貯水し、外部散水や便所洗浄水に利用する。
雨水は、集水する水樋に分流器を設置し、雨水貯留タンクに貯留する。


--------------------------------------------------------------------------------

■ 蓄熱床がいまいち効果がないことについて
設備について_a0158602_455478.jpg

蓄熱床工法

しくみ :床面を加熱し、その床表面から放射される輻射熱によって暖房するもの。ヒートポンプ式の温水式床暖房は、熱源にヒートポンプを使用。電気を使って大気の熱を水に与えて作った温水を、フローリングの下に敷きこんだホットパネルの中に循環させて床を暖める。熱源に使用しているヒートポンプは少ない電力で効率よく熱を作り出し、1.85kwの消費電力で6.3kwの温水出力が得られるので、ランニングコストも抑えられ経済的。

種類 :ヒーター式・ヒートポンプ温水式(2種類)

メリット
・輻射熱を利用するので均一な暖かさを保つことができる
・室内で燃焼しないので、空気が汚れない
・水蒸気の発生が低いので、ダニやカビの原因となる結露もほとんどない
・火災などの安全性が高い
・置き場所が不要

デメリット
・コスト高
・床暖房専用の床材で施工しなければならない
・低温やけど
・暖まるまで時間がかかる


実験
エコハウスで蓄熱床をどのように設置すればよいのか、蓄熱床の範囲・厚みをARAPさんが検討を行ってくださった。

解析条件
・人員:9:00-19:00:1人、それ以外:4人
・内部発生熱:7:00-23:00:5W/m2、それ以外:なし
・換気回数:0.5回/h、HX熱交換率:90%
・暖房:内部温度が16℃以下の場合にON
・ 気象条件:2月の平均的な日

設備について_a0158602_4144267.jpg

図:ARUP

解析結果
上の図より、以下のことがわかった。
・どのケースにおいても、日中は日射と内部発生熱のため暖房負荷はなく、夜間は温度が下がるため暖房負荷が出る結果となっている。蓄熱の効果の良否は、日中蓄えた熱により、夜間の負荷をどれだけ小さくできるかによって、判断するこができる。
・最も蓄熱厚さの小さい180㎜(床スラブ同等)と、250㎜、350㎜とした場合の違いはほとんどないと言える。これより、蓄熱厚さは180㎜でよいといえる。
・蓄熱範囲をペリメーター側だけでなく。インテリア側にも大きくすることで、蓄熱量が増え、暖房負荷を小さくすることができる(グラフ中の点線と実線の違い)。これは、上図(2月の直達光の入射)のように、冬期の日射はぺリメーターよりもかなり内側まで入るためである。インテリアの全てを蓄熱床にしないまでも直達光が入る部分は、蓄熱床とできるとよい。尚、夏期の日射遮蔽用の庇が冬期にも一部日射遮蔽をしているため、窓の高さを低くし、日射を効率的に取り入れられるようにできるとよい。
・蓄熱床の仕上げを天然石60㎜の代わりに木10㎜(日射吸収率はどちらも95%想定)とすると、負荷はやや上がる(蓄熱効果が落ちる)結果となった。
設備について_a0158602_4173959.jpg

図:ARUP

これらの資料に基づいた話し合いの結果
玄関周りの石張りは、蓄熱床なしの時と350㎜や180㎜の時ではあまり大きな大差がなかったため、蓄熱床は中止となった。
しかし、もっと効果的なところにしたらよいのでは、という案がでて陽がよく当たる「サンルーム」や「壁」などに次のターゲットを移すこととなった。

参考データ:以下
設備について_a0158602_419097.jpg

図:ARUP

→気象データについて
各月山形市の気象データを上図に示す。拡張アメダスの標準年気象データを利用している。の代表気象データ、設計用気象データ(下図)は、拡張アメダスデータより、弊社のソフトウェアにより編集を行っている。
設備について_a0158602_421766.jpg

図:ARUP

→蓄熱スタディの解析に用いた気象データ
外気温度が平均的になるように編集されている。それに伴い日射量も平均的と言えるものになっている。解析は、この日が何日も続くという条件のもと行われる。

Q値スタディ
ユーキュリティーも含めてQ値=1.0を目指すため、開口部の大きいこの部分による影響を把握する。
※ユーキュリティー以外の開口部は全て木製トリプルとする。
設備について_a0158602_4293736.jpg

ユーキュリティー開口部の仕様とQ値。↓   ユーキュリティー開口部のサイズとQ値。↓
設備について_a0158602_4381290.jpg

図:ARUP

--------------------------------------------------------------------------------

これからの会議などで変更点があれば、随時upしていきます。



よしこ
by yamagata-ecohouse | 2009-08-27 17:25 | □ 設備のこと
<< メンバー顔合わせ 設備についてだんだん詳しくなっ... >>


最新の記事
カテゴリ
画像一覧
以前の記事
記事ランキング
その他のジャンル